国立環境研究所 地球環境研究センター (CGER) では、地球環境データベース事業の一環として、温暖化をはじめとする地球環境問題に関する、自然科学・社会科学分野の研究で得られたデータや成果を収集・整備し、基盤データベースとして地球環境データベース (GED) を公開しています。GEDでは、「解析支援」メニューを持ち、ユーザーがデータ解析するのに役立つデータやオンラインアプリケーションを提供しています。ここでは、DIASにアーカイブされているGEDデータについての3つの解析ツールを紹介します。

トレンド解析

トレンド解析ではFFT (高速フーリエ変換) を「Thoningの指数関数的周期フィルタ」と共に用いて、時系列データの短周期変化を取り除き、ある周期より長い周期のCO2濃度のトレンドを示します。解析結果は、係数またはグラフとして出力されます。日平均の時系列データを半角スペースで区切って「年 月 日 日平均データ」のフォーマットで与えると、解析結果が得られます。
http://db.cger.nies.go.jp/portal/analyses/trend

トラジェクトリ

大気の塊を質点とみなして、その移動軌跡 (流跡線、これを以下「トラジェクトリ」と呼びます)を気象データを用いて計算することを、後方流跡線 (バックワードトラジェクトリ)解析と呼びます。後方流跡線解析を使うと、例えば、高濃度の温室効果ガスや大気汚染物質が観測された時、その空気塊がどのような経路で観測地点まで運ばれたかを推定することが可能になります。CGER で開発したトラジェクトリ計算ツール METEX (Meteorological Data Explorer) では、1)トラジェクト
リの算出プログラム、2)様々なバイナリ形式の各種気象データをMETEX で利用可能な形式に変換するプログラム、および 3)トラジェクトリの計算結果を地図上に重ね書きしたり気象場を表示するプログラムを提供しています。
http://db.cger.nies.go.jp/portal/analyses/trajectory

フットプリント

CGER では、観測地点における温室効果ガス濃度に対する地上フラックスの寄与度合を示すフットプリントを計算するプログラムFLEXCPP を開発し、一般に公開しています。フットプリント解析ツールを使うと、ある大気塊が、その風上側で、どの領域の地上フラックスの影響をどのくらい受けてきたかを、確率の高さで表すことが可能になります。
http://db.cger.nies.go.jp/portal/analyses/footprint